近年、急速な人間活動の発展の中で地球温暖化問題などが大きくクローズアップされる一方、熱帯林の減少、砂漠化、野生生物種の絶滅など、人類生存の基盤である自然環境の悪化が地球規模の環境問題として世界的関心事となってきています。
このような状況は開発途上国、とりわけ我が国とも密接な関係にあるアジア・太平洋諸国においても著しく、熱帯林の減少とそれに伴う野生生物種の減少など自然環境や生態系にかかわる諸問題が各地で起きています。
しかしながら、これらの問題に対処するための基礎となる科学的知見に基づいた現状把握や影響予測などの調査・研究は、我が国のみならず現地諸国においても、費用不足や専門家の不足のため必ずしも十分には実施されていないのが現状です。
開発途上国のみならず我が国の社会、経済にも大きな影響を与えるこれらの問題の解決のために、開発途上国の環境問題とも深くかかわりのある我が国としても積極的な対応をしていくことが我が国の国際社会への貢献という意味できわめて重要な課題といえましょう。
ここに、財団法人長尾自然環境財団を設立し、国際協力の方向に沿って、開発途上国での自然環境・生態系を保全するための調査・研究を助成し、そのための調査研究に従事する人材の育成を図り、もって開発途上国に残されている貴重な自然環境をはじめとして地球規模の自然環境の保全に寄与したいと思います。
平成元年(1989年)
長尾自然環境財団
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