インドシナ山岳部における陸生脊椎動物の種多様性(概要)
概要
インドシナは、世界の中でも動植物の種の多様性が高い生物多様性ホットスポットの一つとして、知られている。 陸生脊椎動物(両生類、爬虫類、哺乳類)については、最近の多くの研究により、ベトナムとラオスの山岳地で多数の新種や隠蔽種が発見されている。こうした地域で陸生脊椎動物の種の多様性を集中的に調査することによって、インドシナ山岳地の種の多様性を形成するためのさまざまな要因が明らかにされることが期待できる。しかし実際には、こうした山岳地での統合的および国際的な研究は十分に進んでいないのが現状である。
そこで本事業では、日本とベトナム、ラオスの研究者が協力して陸生脊椎動物の分類学的・博物館学的研究を実施して種の多様性の目録を作成し、標本の整理をおこない、さらに若手研究者の能力構築を推進し、研究成果を研究者や社会に発信していくことを目的とする。
実施体制(2023年4月10日現在の予定)
主研究者と組織
本川雅治教授(京都大学総合博物館)
共同研究者
日本 |
西川完途教授(京都大学)
+若手研究者2名と博士課程の学生2名 |
ラオス |
Dr. D. Sanamxay(ラオス国立大学 環境学部)
+研究者1名 |
ベトナム |
Dr. N. T. Son(ベトナム科学技術アカデミー 生態生物資源学研究所)
+研究者2名と博士課程の学生1名 |
活動報告
2023年9月24日から10月12日にかけてベトナムで野外調査を実施しました。
- 実施期間:2023年9月25日(月)から10月8日(日)
- 場所:首都ハノイの西方にあるMuong Nhe(Dien Bien県)の町を拠点に、Muong Nhe Nature ReserveのLeng Su Sin地域の標高1,300 m前後の山岳地帯
- 調査の様子:写真(PDF 668KB)
2023年11月22日から12月12日にかけてラオスで野外調査を実施しました。
2024年3月19日と20日にベトナムとラオスでセミナーとワークショップを開催しました。概要は以下の通りです
- 開催日と場所:3月19日(Faculty of Biology, VNU University of Science:ハノイ、ベトナム)および20日(National University of Laos:ビエンチャン、ラオス)。
- 概要:本川教授のHPで今回のセミナー等が紹介されています。こちらからどうぞ(Motokawa Vertebrate Zoology TeamのHPの該当ページです)。
成果物一覧
科学論文
- Bui, T.H., S. Okabe, L.T. Hoang Le, N.T. Nguyen, and M. Motokawa. 2023. A new shrew mole species of the genus Uropsilus (Eulipotyphla: Talpidae) from northwestern Vietnam. Zootaxa, 5339(1): 59-78.
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