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メコン-チャオプラヤ河流域における事業(概要)

メコン河とチャオプラヤ河は、アジア南東部インドシナ半島を流れる主要河川です。この流域では、河川がもたらす豊かな自然環境や多様な恵みに支えられた人々の暮らしが古くから営まれてきました。しかし、近年の急激な経済開発等により、その自然環境は大きく変化しており、生物多様性の低下が進行しています。メコンオオナマズなど、すでに絶滅の危機に瀕している生物も少なくありません。流域に暮らす住民は自然資源に大きく依存した生活をしており、彼らの伝統的生活もまた存続が危惧されています。今後もダム建設等による環境の激変が予想されており、その保全や持続可能な利用に向け、流域の生物相の現状を把握するなど早急な対策をとることが求められています。

本事業では、メコン−チャオプラヤ河流域の自然環境保全への貢献を目指し、インドシナ半島4カ国(タイ、ラオス、カンボジア、ベトナム)の現地研究機関や市民・学生などと協力して、様々な活動を実施しました。本事業の第一期2006年度から2010年度では、同地域の二次的自然環境の保全とワイズユースを目指し、自然環境を保全するために必要な科学的知識の集積や保全活動を実施しました。これらの活動を通して、現地人材の育成や能力向上、技術移転等にも取り組みました。2011年度から2015年度には、第二期として、対象流域の生物多様性保全とワイズユースを目指した調査研究や保全活動を実施しました。

 

 

協力機関

タイ ウボンラーチャタニー大学農学部水産学科(ウボンラーチャターニー)
カセサート大学水産学部(バンコク)
シーナカリンウィロット大学理学部(バンコク)
メージョー大学水産技術・水産資源学部(チェンマイ)
ベトナム カントー大学養殖・水産学部(カントー)
ラオス ラオス国立大学理学部・農学部(ビエンチャン)
ラオス農林省畜水産局ナムスワン水産養殖開発センター(ナムスワン)
カンボジア 水産局内水面漁業開発研究所(プノンペン)
日本 一般財団法人自然環境研究センター
特定非営利活動法人アジア農山漁村ネットワーク
特定非営利活動法人フィールドリサーチ

 

 

主な活動内容

第一期の活動内容と成果

  • 対象流域において魚類の種組成と分布に関する調査を実施し、今後の調査や環境教育の基礎となる情報・資料を整備しました。
    例:標本コレクション
      標本・画像のデータベース
      インドシナ・メコン産魚類同定シート(英語版)
      各国の調査で採集された魚類のポスター
  • 対象流域の人々が食用としている水生動植物について、利用状況を把握するため、「水辺の幸」調査を実施しました。
  • ラオスの小学生や地域住民を対象に、身近な自然について環境教育を実践しました。
  • 各国においてシンポジウムを開催し、得られた成果を発表しました。

 

第二期の活動内容

  • 第一期に得られた成果を様々な形で発信します
    例:各国別魚類フィールドガイドブックの作成(各国語版・英語版)
      メコン-チャオプラヤ流域産魚類総合図鑑の作成(英語版)
      新たな生物学的知見に関する学術論文の発表
      魚類のウェブデータベース作成と公表
      「水辺の幸」調査の実施と図鑑作成(日本語版・英語版)
  • 成果や課題をもとに、調査や情報収集、保全活動を継続して実施します
    例:第一期で見出された課題へ対応するための研究の実施
      ラオスの小・中学生や地域住民を対象とした環境教育の実践
      政府、研究者、地域住民共同の生物分布調査の実施

 

 

成果物一覧

  • 準備中です

 

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